忍者ブログ

将棋定跡研究所

将棋の面白さはユニーク戦法にあり! トップを目指しながら新戦法を開発中。 「定跡裏街道」というユニークな新戦法を紹介する書籍を電子出版しています。

振り飛車が復活の兆し: 阪田流三間飛車、横歩取りひねり飛車、NNUEkaiXF

最近まったく更新していなかったこのサイトですが、面白い事になっているので、久々に最近感じている将棋の変化について書いてみます。

1. 変態戦法がメジャー戦法になった

まずは私が本で執筆したような「魔界三間飛車」や「353戦法」が、菅井流三間飛車という名称で知られる事になりました。私がこのような変態振り飛車や陽動振り飛車を5-6年前に指していた時は、仲間内でも対外的にも「クソ戦法乙www」と笑われていましたが、今や有名な戦法になりました。

一番の要因は菅井七段の影響でしょう。さすがに将棋界屈指の振り飛車党である菅井七段が採用し、王位奪取の原動力になるとは思っていませんでした。私のようなへたっぴのアマが指しても有名戦法にはなりませんが、プロの方が採用しさらにはタイトルを取る原動力にもなれば、有名にもなります。多くの方に見て頂けた事は嬉しいですし、プロの方にも認めて頂ける戦法になり、今でも菅井七段に指して頂けているのは、研究が間違っていなかった事がわかるので、純粋に嬉しい限りです。

特に魔界三間飛車は駒組みが印象的な事もあってか、指してくれる人や知りたい人も増えたようで、今では以下のような書籍まで販売されるようになり、嬉しい限りです。ちなみにタイトル戦で登場した形は裏魔界三間飛車として私は紹介していて、菅井竜也 七段 vs. 藤井聡太 七段 第32期竜王戦4組ランキング戦 で紹介した形は、魔界三間飛車 (表) として、その駒組みについても既に紹介しています。
 
他の戦法も、今でも割と実戦的なテクニックは応用されています。例えば「432戦法」や「353戦法」 (ゴキゲン三間飛車や、うっかり三間飛車とも呼ばれていました) も、私の書いた書籍で紹介したテクニックがプロ間で高頻度に出現していて、時代は変わったものだなあという感慨深さがあります。飛車先をわざとつかせて、何がなんでもそれを咎めるという視点は、様々な戦法に応用できます。


2. 陽動振り飛車が復活しつつある

もう1つ最近感じている変化は、陽動振り飛車も徐々に採用されつつあるという事です。横歩取りからの陽動振り飛車は永瀬叡王がよく採用しており高勝率です。佐藤天彦九段が羽生名人から名人を奪取した時にも原動力になった戦法でもあり、これも優秀な戦法と思います。横歩取りの陽動振り飛車は完全に定着した感じがありますが、通常の横歩取りのような激しい展開にしなくても後手が十分指せるという意味で、大きな発見だったように思います (下図)。



その他にも最近では、第60期王位戦挑戦者決定戦 羽生善治 九段 vs. 木村一基 九段の対局も、陽動振り飛車でした。他の対局も陽動振り飛車風味の形であり、ここぞという時に陽動振り飛車が使われる傾向が出てきているように感じます。横歩取りは陽動振り飛車と居飛車の境界が曖昧になっているせいもあると思いますが、面白い傾向だと思います。

若手の新鋭である大橋四段も陽動振り飛車の本を出していて、この戦法は昔からある、知る人ぞ知る陽動振り飛車の指し方なのですが、こういった指し方にも光が当たるようになるのは、やはり時代が変わったなあという印象があります。正直、昔だったら考えられないです。



ところで私も横歩取りの陽動振り飛車については「横歩取りひねり飛車」として、少しだけ戦法を紹介しましたが、変な事をしなくても普通に陽動振り飛車が強いので、こちらを使う人は居なかった。天彦流、永瀬流が強い。 (´・ω・`)


3. 振り飛車ソフト NNUEkaiXF のレーティングが4200越え

振り飛車ソフト NNUEkaiXF が4200越えのレーティングを叩き出して、一時期ソフトのトップになっていた事がありました。これは大きな衝撃でした。なぜならソフトが居飛車のほうが振り飛車より +300 くらい良いから居飛車党になったという人が多いと思うからです。でも振り飛車で4200のレーティングが出るなら、振り飛車を指しても居飛車を指しても大差ないですよね。NNUEkaiXF が登場してから地味に振り飛車党の割合がちょっと増えた気がします。

やはり振り飛車が居ないと将棋は面白くありません。一時期、ほぼ居飛車党しか居なくなった時期がありましたが、居飛車だけだと同じような形ばかりになってしまう。ソフトに関して別の視点から話をすると、角換わりの最善が千日手しかないのでは、とも最近では言われています。私ごときではそれが本当なのかどうかはわかりませんが、明快な仕掛けが難しいのは事実でしょう。

どうせ何を指しても難しいのだから、それなら振り飛車でも良いのではないか、と考える人も増えるかも知れません。さらに変態戦法を指しても難しいのだから、もっと自由に指そうという人も増えてくるのではないでしょうか。少なくとも振り飛車は弱くないと再認識されたのは、将棋界にとっては自由度が広がって良い事だと思います。最近は振り飛車党の若手の方も大活躍していて、見ていてとても楽しいです。


私が書籍を執筆したのはもっと色々な形をみんなに考えてもらって、将棋界が楽しくなれば良いなあという理由でしたが、そのような情勢になってきた事は、とても嬉しく思います。

2019-06-28追記:・・・などと書いていたら、振り飛車の採用率が一気に跳ね上がり、都成竜馬 五段 vs. 里見香奈 女流五冠 第91期ヒューリック杯棋聖戦一次予選 でも魔界三間飛車が登場しました。里見先生にも採用してもらえたのは嬉しい限りです。

2019-08-03追記:甲斐智美 女流五段 vs. 里見香奈 女流五冠 第1期ヒューリック杯清麗戦五番勝負 第1局 で、またしても魔界三間飛車が採用されました。魔界三間飛車、プロ間でも凄い勝率です。

PR

コメント

ブログ内検索

出版しました!

最新コメント

[06/21 管理人]
[06/21 Rocky-and-Hopper]
[05/31 bewater]
[05/31 bewater]
[05/31 管理人]