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将棋定跡研究所

将棋の面白さはユニーク戦法にあり! トップを目指しながら新戦法を開発中。 「定跡裏街道」というユニークな新戦法を紹介する書籍を電子出版しています。

裏四人将棋 - 意外と奥が深い?

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裏四人将棋 - 意外と奥が深い?

今月はまともな投稿をできなかったので、とっておきの(?)ネタを紹介します。少し前に将棋の合宿に参加してきたのですが、その合宿でのお話です。合宿と言えば将棋にまつわる様々なイベントがありますが、冗談で始めた遊びがなかなか面白かったので、紹介してみます。

まずベースとなるのは四人将棋。四人将棋についてのルールは左記リンク(Wikipedia)を辿って頂くとわかりやすいですが、下図を見てもらえばなんとなくやり方はわかるでしょう。基本的なルールは将棋とだいたい一緒で、四人で時計回りに指していくだけです。



合宿で行った四人将棋はダブルスで行ったのですが、Wikipediaのルールと異なる点が3つあります。
  1. ペアの位置は隣
  2. 王手を掛けても手番は移らない
  3. 王手を掛けられた人は、次に自分のターンが来た時に詰めろを解消できなければ試合終了


これが実に面白い。ペアが隣にいるのがなぜ良いか(新ルール1)ですが、ペアに自分の駒を謙譲する事ができるのです。四人将棋では駒を手持ちにするのが強力な気がするので、激しい将棋になってより面白いです。例えば青文字チーム対黒文字チームの対戦で、第1図のように駒を渡す事ができます。歩を一枚渡しただけでいきなりと金攻めができて、なかなかスリルがあります(第2図)。



そして新ルール2,3も、真剣に読むという意味で重要な要素です。例えば下が上に対して王手を掛けたとします(第3図)。



これは上の玉が詰んでいるかというと、詰みではありません。左の人がと金を払えば詰めろが消え、上玉は無事生還です。

では第4図はどうでしょうか。少し状況がわかりにくいですが、右:1二金と打って王手した後に、下:2二歩成とした局面で、同時に2回の王手が掛かっています。これも上玉は詰みではありません。左:2二銀、上:1二玉として無事生還です。



これはチーム戦ならではの手筋で、常に2手をセットで読む事になるので、頭の体操になってとても面白いです。ではルールのおさらいに、上玉が生き残る事ができるかどうかの問題を作ってみたので、チェックしてみましょう。右以外の三人すべての指し手を考えてみてください。





では解答編を行ってみましょう。
まず第5図は不詰です。下:2八銀(何でもいい)、左:4一歩、上:5一玉。左の人が4一歩と上玉の逃げ道を作ってあげるのが重要で、上玉はなんとか生き延びています。上玉は左の人頼みの状況で、左の人が違う手を指せば上玉は詰み。この辺りがチーム戦ではなかなか面白い要素になってきます。



次に第6図。これは詰みです。第5図とほとんど同じ形ですが、下の人が飛車を手持ちにしているのが大きな違いです。第5図がわかった人ならすぐに解けたかもしれませんが、左の人が次に4一歩と逃げ道を作った際にも玉が逃げられないようにすれば上玉はどうやっても助かりません。そこで下:6一飛。まさに四人将棋ならではの手筋ですが、これで受けなしです。



なかなか面白くありませんか? 将棋の合宿などで是非試してみてください。

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